映像分配器 [ えいぞうぶんぱいき ]

用語解説

映像分配器とは、1つの映像信号を複数のディスプレイやLEDビジョンに同時に分配・出力するための機器です。
HDMIやDisplayPortなどで入力された映像信号を劣化させることなく複数系統に分け、同一の映像を同時表示したい場合に使用されます。

デジタルサイネージやLEDビジョンの現場では、同じコンテンツを複数画面で表示したいケースが多くあります。
例えば、商業施設の通路に並んだ複数のLEDビジョン、イベント会場での大型表示、店舗の店内外で同一の販促映像を流す場合など、映像分配器は欠かせない存在です。

映像分配器の大きな役割は、映像信号の安定供給です。
単純にケーブルを分岐させるだけでは信号が弱まり、映像の乱れや表示不良が発生することがあります。
映像分配器を使用することで、入力された映像信号を増幅・整形し、それぞれの出力先へ安定した信号として届けることができます。

また、映像分配器には対応解像度や対応フレームレートの違いがあります。
フルHDや4Kなど、LEDビジョンの表示仕様に合った分配器を選定しないと、解像度が自動的に下がったり、映像が正しく表示されないことがあります。
そのため、使用するLEDビジョンや映像コントローラーの仕様を事前に確認することが重要です。

設置・運用面では、配線の簡素化というメリットもあります。
映像プレーヤーや映像ソースを1台に集約し、そこから分配器を介して複数画面へ出力することで、機器管理やトラブル対応がしやすくなります。
特に運用人数が限られている現場では、管理負荷の軽減につながります。

一方で、映像分配器はあくまで「同一映像の分配」を目的とした機器であり、画面ごとに異なる映像を表示したい場合には適していません。
用途を誤ると、想定していた表示ができないため、多面表示や異なる映像表示が必要な場合は別の機器構成を検討する必要があります。

映像分配器は、シンプルながらもLEDビジョン運用の安定性と効率を支える重要な機器です。
表示台数や解像度、運用方法を踏まえた適切な選定によって、トラブルの少ない映像配信環境を構築することができます。