多面表示 [ ためんひょうじ ]

用語解説

多面表示とは、1つのLEDビジョン、または複数のLEDディスプレイを使って、同時に複数の画面・方向・面に映像や情報を表示する方式のことを指します。主に商業施設、イベント会場、展示会、駅構内、屋外広告など、人の動線が複雑な場所で活用される表示手法です。

一般的な単面表示では、視聴者が特定の方向から画面を見ることを前提としますが、多面表示では異なる方向に向いた複数の表示面を持つため、どの方向から来た人にも情報を届けやすいという特徴があります。
例えば、柱の四面にLEDビジョンを設置したり、L字型・コの字型・円柱型などの構造で映像を表示したりするケースが代表的です。

多面表示は、同じ映像をすべての面に表示する使い方だけでなく、面ごとに異なるコンテンツを表示する運用も可能です。
これにより、場所や視認方向に応じて最適な情報を出し分けたり、広告と案内表示を併用したりするなど、柔軟な情報設計ができます。
そのため、広告効果の向上や案内効率の改善につながるケースが多く見られます。

一方で、多面表示を行うには、通常の単面表示よりも設計や制御が複雑になります。
複数画面を同期させるための映像コントローラーやスイッチャー、コンテンツ管理システム(CMS)の対応可否、配線計画などを事前にしっかり検討する必要があります。また、設置構造によっては施工難易度や工事費が上がる点にも注意が必要です。

表示品質の面では、各面の明るさや色味を揃えるキャリブレーション作業が重要になります。
多面表示では、わずかな色差や輝度差でも目立ちやすいため、導入時だけでなく、運用中の定期調整も品質維持のポイントとなります。

多面表示は、視認性やインパクトを重視した演出に非常に効果的ですが、その分、設計・運用・管理を含めたトータルな計画が求められます。
設置環境や目的に応じて、単面表示と比較検討しながら導入を判断することが重要です。
適切に活用すれば、情報伝達力と空間演出力を大きく高める表示手法といえるでしょう。